2001年7月に盲腸破裂で深夜の緊急手術を受けたことがあるが、後で「半日遅れたら危なかった」といわれたほどで、それこそ必死だった。今回はぴんぴんしているのに手術するというので、非常に落ち着いた目で現在の医療現場を見ることができた。簡単な手術とはいえ、全身麻酔は危険が少なくないようだ。何枚も同意書にサインをさせられるし、前日には動脈採血があった。静脈と違い、奥深いところを走る動脈に針を刺すので、これは痛かった。当日は歩いて手術室まで行き、そこでベッドに乗る。あとはベンケーシー(大昔にあったドクターが主役のアメリカの番組)のごとく、いくつもの扉を超えて手術室へ。そこでほとんど裸にされて、静脈から麻酔をする・・・。
何か学生時代の楽しい夢を見ていたように思うが、気がついたら手術が終わっていて、「これです」とビンに入った濃胞を見せられた。ボケーッとした頭で、なぜか開口一番「写真に撮らせてください」と言った。それが次の写真

とにかく、無事終わってよかった。多少の張れとシビレ感はあるが、すぐになくなるだろう。小さいうちに発見できれば、根の治療や、手術であっても部分麻酔でできるそうなので、一年に一度くらい歯全体のレントゲンを撮ってもらうのはよいことかもしれない。
11年前と比べ、看護士さん達の仕事のほとんどがパソコンを使ってなされているのに驚いた。患者は腕にバーコードの入ったテープを巻かれ、それをピッとして、点滴のラベルをピッという風に、全てパソコンでやるべき仕事の内容とスケジュールが指示されている。たしかに、これで間違いは激減しただろう。聞けば、9時~17時、17時~25時、1時~9時の三交代制だという、仕事とは言え、頭が下がる。どのような職業であれ、誇りと自信を持って、楽しげに仕事をしておられる姿は見ていて気持ちがいい。不満のない仕事などないから、仕事中は集中し、誇りを持って働いていれば、いずれ良いことがあると思う。
短い入院であっても退院は嬉しい。点滴ごしに見る外の風景、今朝はとりわけ美しく見えた。
