2013年3月20日水曜日

製作記事の安直な真似は危険

私は木工関係で最も早くホームページを開設した方だと思うが、今ではホームページやブログでご自身の作業をオープンにされる木工家さんも大変多くなり、趣味であれプロであれ、多方面の情報を得やすくなっている。大変ありがたいことではあるが、経験や知識不足、あるいは段階を経ないで、その真似をし、大怪我をしなければいいが・・・と心配する。

例えば、大きな板材を手持ちの丸鋸や昇降盤で切断するのは、キックバックの危険がとても大きい。経験豊富な方は、それに対する対処法を知り、危険性を充分知ったうえで作業をしておられるが、これらは簡単に身につくものではない。ルーターも実に危ない道具であるが、アメリカなどの木工雑誌の影響だろうか、ジグ万能という感じで、簡単に加工すると、大変恐ろしい目に会うことがある。

教室では下記のような点を注意しているが、これらは単なる知識では意味がなく、身についている必要がある。正直なところ、怪我をしない程度に危ない事象を経験しないと本当に身につくものではないと思うが、そんなことを言っても始まらないので、羅列してみる。

・長い材を切断する場合、切断の後半でキックバックが起きやすい。電動丸鋸の使用はできるだけ裂ける。ジグソウは比較的安全だが、それでも最後の1~2センチは手鋸で切断する。

・平面の出ていない材をテーブルソウで切断するのは、極めて危険。切断が進行すると、材の内部応力や重力のかかり方が変化し、丸鋸を締め付けたりして危険な状態になる。丸鋸による切断面がコゲている場合は、危険と隣り合わせだったことを意味している。切断面がコゲていて平気なのは無神経の証。

・ルータービットの回転方向と、それによってルーターやトリマ本体がどのような動きをするか、理解しているか?6mm軸のストレートビットで、いきなり10mmもの深さの切削は、折れたりするなど、極めて危険。6mmなら、深さは最大6mm、横方向の切削は直径の3分の1、2mm程度を上限とする。少ない切削量で何度も加工する方が、手間はかかるが、安全で美しく加工できる。

安全面に限らず、深い理解なく、他人の作業を真似をすることには、大きな落とし穴がある。どうしてそのような工程をとられたのか、その理由がわからない場合には、やらない方がよい。ネットの世界は、勘違いしやすい世界でもある。

5 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。
    先日、Wさんと「素人さんの丸鋸の扱い方、怖いよね!刃が挟まれたときなんか丸鋸を引き戻すんだよ!」「止めなきゃ危ないよ!」って話をしたばかり。引き戻して太腿に大怪我した話は数知れないほどあります。
    今日、荒木取りをしたばかりですが、丸鋸、横切り盤作業では切削位置の始まりを2〜4回にし、2〜3mmずらして刃の締め付けを回避しています。
    とりわけ人乾材は締め付けが強く、イチョウのような軟材でも横切りを止めてしまうこともあります。
    木工作業は全てと言って良いほど刃物作業です。私の基本は木と刃物のキレに逆らわないこと!キレが悪ければ刃を研いだり。鉋では台調整をしたりします。
    気持ち良い切削時の感覚をカラダとアタマに焼き付けて、それ以外は「どこか無理してる!」と思うのが良いですね。
    サッカー観戦でテンションが上がって、寝付けそうになかったので投稿。(書いていて、アタマがまた動き始めてしまったかも……)
    ではでは

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  2. とくに丸ノコですね、危ないのは。切っていて通常より抵抗が大きくなったらとにかくまず機械を止めるのが大原則ですね。それから刃を入れ直すとか、切り代にクサビを打つ、残りは手鋸で切るなどします。手で切るのは、最悪でも鋸刃を折ってしまうくらいで、まず大怪我はしないでしょう。私も最後は手で切ることがよくあります。

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  3. お久しぶりです。新工房、如何ですか?
    初心者であった頃は、結構無茶してたなあと思います。大事に至らなかったのは幸運だったからでしょうが、昔から機械は好きだったので、その知識に助けられた部分もあります。
    木工機械の仕組みや特性を全く理解できていない方がそれを使うのは極めて危険ですね。

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  4. 工房、住まいとともに転居したため、工房稼働をいの一番としましたが住まいの方は半分の荷が段ボールの中です。
    引っ越して、プリンタが使用不能になり、MacのOS9に対応するものはなく、Winのcad図面や確定申告書類も打ち出せないはでとうとうMac miniとプリンタを購入。(MacはOS9、10.4、10.8の3台を1台のディスプレイと1台のキーボードで使い回しております)
    有り難いことに仕事もいただいているものの「あれはどこやッ!?これはこっちに置いた方が……」と、思うように仕事が進みません。
    真新しいランドセルたちが駆け回る時がすぐそこまで来ているというのに、わたしはボア付きの作業着で「ああでもない、こうでもない……」
    今日こそ、早く寝る!

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  5. ��大江さん
    最後は手鋸の方がおられて、安心しました^^。
    ��みしょうさん
    お仕事が順調なようで、よかったです。新天地で安全第一でご活躍ください。

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