2013年3月14日木曜日

ボーナス平均支給額!?

今年の春闘、結果トヨタは組合の要求に満額回答で、社員のボーナスは年間約5ヶ月分、平均支給額は205万円と報道があった。

ひとり工場長の木工屋さんで、純粋に木工だけの収入で年間200万円の利益をあげている方は、どれくらいおられるだろうか。みんなそれぞれの台所事情があるだろうが、単純に考えてみて、25万円のテーブルをロスなく作って、材料費やその他の経費を差し引いて、利益は15万円くらいのものだろう。テーブルは効率がよい方だが、椅子や箱物だと、もっと手間やロスが多くなるので、月30万円の利益を確保するのは大変なことである。それを超人的に毎月こなしたとしても年収は360万円で、実情は注文の少ない月もあるから、その6割程度ではないか。これはあくまで私の想像だが、大きくは外れていないと思う。そうだとすると、弱小木工屋の年間収入を大手自動車会社の社員さんはボーナスでもらうことになる。しかし自動車関連のお仕事をされている教室の生徒さんからは、そんなおいしい話は全然聞こえてこない。あの手この手で、非正規雇用という形態をうまく継続的に使い続けていて、正社員さんとの格差の大きさを痛感する。

あれだけ騙された民主党から自民党政権になったことは、当然の成り行きかもしれない。しかし、民主党政権の時、あれだけ政権に批判的だったマスコミや財界が、自民党政権にはメチャ協力的に見える。財界、マスコミ、政権が一丸となれば強い。実態は伴わなくてもムード作りができる。けど、例えば、いじめ抜かれた菅さんだけれど、脱原発の方向を示したことを少しは評価してもよいのではないか。気のせいかもしれないが、最近は福島原発の現状についての報道が少ないように思う。大きな力がマスコミの報道を誘導していると感じてもおかしくはない。

話は元にもどるが、年収700万円の人が年収360万の人より二倍幸せかというと、そうではないだろう。たとえ年収が300万円であっても好きな仕事で充実した時間が持てるなら、その方が幸せだ。エリート社員さんの年収を上げることも大切だろうが、もっと悪い条件で働いておられる大勢の方の収入を、少しでもあげてもらったほうが、本当の景気浮揚策になるはずだ。

2 件のコメント:

  1. 木工にかぎらずいわゆる「手作り」の仕事では、手間賃の採算ラインが1時間あたり2000円くらいといわれることがあります。一日の製作時間は正味7時間として14000円、月に正味20日作業日として28万という計算です。「正味」というのは製作以外にも事務仕事や営業や材料仕入、納品などの仕事もあるからです。それに上の計算ですら一年間順調に推移しての話なので、宮本さんがおっしゃるように実際の年収はさらに下がってせいぜい250万程度でしょうね。
     これをもっと上げるには結局時間単価を上げるしかありませんが、製品値段も当然上がるのでそれでお客に納得してもらえるような優れた品物を作る、ということです。難しいですけど。

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  2. 大会社はどうしてそれだけの給料が払えるほど儲かっているのか、あまり能率を追求しない個人の木工屋さんは考えてみる必要があるかもしれません。逆に、大企業は収入が少なくても幸せに暮らしている人達の生き方から学ばなければならないことがあるかもしれません。

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