2010年12月10日金曜日

シャムガキの小キャビネット

木工教室が本業だが、正直なところ、山、旅、食などの話の方が楽しい。しかし、たまには木工の話を。

もう20年近く前の話になるかもしれない。年に何度か東京へ行き、木工の本を仕入れに行ったり、道具屋さんまわりをしたり、新木場のモクモクへ行ったりしていた。そんな頃、同店の端材コーナーで買ったシャムガキの薄板があった。10月末の教室展の前に私自身も何か作ろうと思い、習作として、クレノフ氏の本を参考に”く”の字型に曲がった扉のキャビネットを作っていた。本体はチェリーで、扉の鏡板にそのシャムガキを使った。



今はもっとアッサリした木が好みだが、大きさが適当だったのでこの材を使った。本当に不思議な模様がでる木だ。水墨画のように、墨で書いた森と白い辺材が空のようにも見える。扉は難しかった。曲がった部材は、木目が真っ直ぐに見えるように柾の薄板を外側に貼っている。心配したとおり、接着で少しひねりが出てしまった。それをごまかすべく、鉋で慎重に削って、なんとか扉を本体にあわせ、折り目が通るように削って調整。

遅まきながら、今日一回目のオイルを塗った。なんとなく仏壇風になったが、私なら、もうすこし明るくて開放的な箱の方が好きかも。

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