2019年6月14日金曜日

老後2000万円問題に思う

老後2000万円問題が波紋を広げています。この機会に、木工で食べている人がいずれは体験する老後のことについて、感じていることを書いてみます。面白くない話ではありますが、大切なことと思います。

私は今年66歳。65歳になった昨年から年金を受け取っています。企業にたよらず木工で生計を立てていこうと考えていた頃、「年金なんてアテにしない」と強がっていました。それでも厚生年金は通算すると20年くらい払っていますし、それを無駄にしないため、空白はありましたが、60歳まで国民年金を掛けました。ですが、65歳になって年金額が決まった時は、予想していたものの、その額は考えていたよりかなり少なかったです。それに輪をかけるように、65歳になった途端、介護保険料を払う義務が生じます。年金は免除申請をすれば払わなくてもすみますが、介護保険料の支払いは拒否できないのです。私の場合で毎月一万円弱を支払うように催促がきました。半年ほど支払った後は、少ない年金からの天引きとなります。

自営の個人事業主ですので定年はありません。しかし、60代後半になると、体力・視力・精神力等の衰えを実感します。何歳まで今の仕事をやれるかわかりませんが、あと5年~10年というところが世間相場ではないでしょうか。そして、自分の年金額を考えると、「老後2000万円必要」という、なかったことにされた報告書の数値は最低限の数字として妥当であると感じます。

ここ数年「木工家になりたい」という相談を受けることは少なくなりました。私より若い方でバリバリ活動されている木工家を探せば、ネット上でに何人も見つけることができるでしょう。でも生きていくのに一番大事な収入についてはほぼ何も見えてきません。「この人どうして食べているんやろ?」と思うような活動的な木工家の場合、生活を支える何かがあると考えてまず間違いありません。世の中にはいろんな形で恵まれた人もいるわけです。同じように活動しようとしても、バックボーンが何もない場合には危険と言わざるを得ません。

それにしても、アベノミクスの成功を謳う現政権の「老後2000万円必要」問題に対するあまりに露骨な対応には情けなさしか感じません。私は平気でウソを言う人を信じることができません。でも、ウソのない政治家なんているのかな・・・?。

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