今年も各界のいろんな方が旅立たれた。そんな中、不思議に吉本新喜劇の島木譲二さんのことが思い出される。背景には子供の頃からの吉本新喜劇を見続けているという個人的事情はある。あまり教育にいいとは言えない同じようなギャグの連発など、真面目に考えるとどうかと思うこともあるけれど、理屈抜きに関西のアホらしい笑いが好きなのだ。
「パチパチパンチのおっさん」と私は呼んでいたが、単純な同じ芸を一生懸命やりはるので、馬鹿らしいとは思いつつも笑ってしまうのだ。ある年の正月番組など、デッカイ水晶玉を頭に落とすという芸を本当にやってしまい、額から血を流していた。中途半端な芸をしては見に来てくれているお客さんに申し訳ないから、必死で一所懸命やった結果の流血だったのだろう。
最近の吉本新喜劇は、どこかの学校の演劇部のような芸人さんが多くなって、アクの強い昔ながらの芸人さんが少なくなっているようだ。仕組まれた笑いもいいだろうが、島木さんのような単純な文字通り体当たりの芸を人一倍一所懸命にやっている芸人さんに、拍手を送りたい。ご冥福をお祈りします。
写真は島木さんとは関係なく、17年ぶりに出してきて使ったアラジンの石油ストーブ。石油ファンヒーターは便利だけど、音が大きい。冬に音楽を聴く時、無音のアラジンは、やっぱりいい。