2011年12月27日火曜日

村上さんのDVD

「良いお年を」と書いて今年のブログを終わりにしようと思ったのだが、今日注文してあった故村上富朗さんが最後に作ったサックバックチェアの製作過程を収録したDVDが届き、昼食後見て、とても印象深かったので、もう一回だけ今年のブログを書くことにした。

��4分のDVDは、工房へ続く道から始まり、淡々とその製作過程を追ってゆく。工房で流していたと思われるジャスの音楽が静かに流れる他は、村上さんと収録された方の声、それに鉋で削る音など作業音だけ。残念ながら、曲木の過程は出てこない。5月に収録されたということだから亡くなる前一ヶ月半ほど前の映像、当然曲げてから寝かせておくカーブした部材から作る暇はなかったのだろう。元気なご様子で、嫌でも人生は何時終わるかわからないことを痛感する。

驚くのは、そのほとんどの工程が手作業であること。たとえば、楔は薄い板から手鉋で削り出し、それを手鋸で切って作っている。ロクロ、昇降盤、帯鋸、電動ドリル、それらの機械が少し出てくるだけ。ウチの教室の方が、もっと機械に頼っている。手加工にこだわっているわけではなく、それが一脚ずつ一貫生産する村上さんにとって、一番効率がいいのだと思う。これは趣味の木工にも通じる。

正直、生前の村上さんを知らない人にとっては、送料込みで7300円少々は高い。しかし、ほんの二三日だけど、村上さんにお世話になった私には、とても興味深い、手放せないDVDとなった。コピーしたり、貸し出したりする気はないので、興味のある方は下記へ問い合わせてみてください。来年の教室ではこれを見る時間を作るかな。

レミングハウス DVD担当 鈴木桃子
dvd-yoyaku@lemminghouse.com


2 件のコメント:

  1. 私も購入して早速拝見しました。
    作品は拝見したことはあっても残念ながら村上さんには
    お会いしたことがありませんでした。
    この手のDVDがアメリカでは20〜30ドルで買えることを考えると高いかもしれませんね。
    一応、コピーガードが施してあるようです。

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  2. あくまで想像ですが、生前の村上さんはもっと安い値段を望まれたのではないかと思います。
    30年ほど前、仕事で医療関係の映画を作ったことがあったのですが、映画会社にお願いすると、その当時で10分150万円程でした。今回の値段でも「損はしない」という程度ではないでしょうか。関係者の手間を考えると、ボランティアみたいなものかもしれません。

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